「シニアネットワーク連絡会」
の設立と具体的活動について

わが国のエネルギー自給率は、先進工業国の中でも極端に低く僅か4%、原子力を入れても20%という現状に対して、また、少子化、若者の理工離れという社会現象や親子の原子力職場忌避の風潮に対して多くの人が危機感を募らせている。従って、わが国の将来にわたるエネルギー確保のため、現役研究者や技術者の努力に加え、次世代を担う若手特に学生層に、原子力を正しく理解してもらい、原子力開発に夢と希望をもって、また、自信と誇りをもって積極的に取り組む気概を持ってもらう必要がある。このような観点から原子力技術の維持伝承と更なる発展のために経験豊富なシニアの責任ある行動と次世代への意味有る貢献を目的として、平成18年5月22日、日本原子力学会内にシニアネットワーク連絡会(会長 竹内哲夫氏)を設立した。

本ネットワーク連絡会は、原子力学会のシニア会員を核とし、学生との対話など世代を超えた双方向の交流を全国規模で展開し、交流の輪を拡げながら、先輩達が苦労して築き上げてきた知識と経験に基づく技術を次世代に伝え、また、先達として有益な助言、希望等を伝えることによって、わが国のエネルギー・環境問題と原子力の役割について真の理解を得ることができると考えている。このような理念のもとにシニアネットワーク連絡会は設立以来、全国規模で各大学の原子力関係学生との対話活動や現場の若手技術者との対話活動を展開している。

なお、国レベルにおいても原子力人材育成にむけて積極的な取り組みがおこなわれており、経済産業省は文部科学省と連携して産業現場でのインターンシップや産業界のニーズを踏まえたカリキュラム構築支援など大学・大学院等での人材育成や研究活動の充実・強化を支援するための「原子力人材育成プログラム」を策定した。

「シニアネットワーク東北」
の設立趣意書

シニアネットワーク連絡会の理念を地方においても共有し、以下に述べる東北地域の特性に鑑みて積極的に啓蒙活動を展開する拠点として、「シニアネットワーク東北」を設立するものである。

設立の背景(東北の地域特性)

新潟県を含む東北地方にはわが国の原子力発電設備の40%以上(2,000万KW超)が設置されているほか、原燃サイクル施設や石油備蓄基地、石油・石炭・ガス火力、地熱、水力、風力発電、天然ガス・パイプラン、(将来的にはITERの一部施設)など、わが国のエネルギー供給基地として極めて特徴的な地域になっている。

また、設備投資計画でみると、電力事業の、東北経済に及ぼす影響が極めて大きいことが分る。

さらに、東北はエネルギーに関わる産業界への人材の供給基地にもなっていることがわかる。

従って、次世代層にわが国のエネルギー、地球環境問題と原子力の役割について理解浸透を図るため、また、対話などを通して若者に夢と希望を、また、自信と誇りをもってもらうための拠点として「シニアネットワーク東北」の設置は極めて有意義と思われる。

なお、このような視点に立って、ボランティア活動として既に2年前から、シニアネットワーク連絡会に協力する形で地元大学における対話、原子力発電所における新入社員教育の一環としての対話、さらに大学への講師派遣などに応じてきた。

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